食物連鎖が循環し始める!

農業ブログ/所長のつぶやき

有機農業を行う前にその植物の特性を知るためによく放置農法を行います。

今年の対象はエビスグサ・・・エビスグサは緑肥としても、お茶としても有名なマメ科の植物です。

春先に荒く耕した後に適当に種をばらまき、発芽するまでは時折水を与えるだけです。

数カ月が過ぎ、順調に成長してきた時期に、ハスモンヨトウ、テントウムシダマシ、オンブバッタ、ショクトリムシ、ナメクジ、カタツムリ、タバコガ、カメムシ、コガネムシなどの害虫といわれる虫たちが多数集合!

しばらく様子を見ていると、さすがに葉を食べつくす勢いで・・・・

これではまずい!」と思い、数のバランスを取るために、ここで少し手を入れました。
ハスモンヨトウのミイラ化

ハスモンヨトウ卵から誕生したコバチ

ハスモンヨトウ卵から誕生したコバチ(体長0.8mm)

2週間が経つころ、葉のあちこちで、白くミイラ化したハスモンヨトウの姿を見るようになったため、このころからは、葉についた蛾の卵のみを取り除く程度にします。

ところで、「どんな虫たちが集まってきているのか」観察してみると、カマキリ、テントウムシ、カエルの姿をよく見かけるようになりました。

葉裏に付いている「ハスモンヨトウ」と思われる卵を採取して、容器に入れて何匹誕生するのか観察してみると、そこから誕生したのは、

何と約50匹のコバチです。

コバチの体長は1mm以下で、アブラムシなどの寄生する蜂で知られていますが、ハスモンヨトウの卵から誕生したことには少し驚きました。

最近は、害虫たちの姿も少なくなり、植物、害虫、益虫のバランスが取れ始めたみたいです。

食物連鎖は最初に害虫が集まり、その後に益虫が集まることはご存じの方は多いかと思いますが、作物を作るとなると、害虫が集まったときに容易に農薬を使って駆除してしまいがちです。

もう少しその場所に雑草が生える意味と同じように、害虫の存在意義も考えてみると、面白いことが見るかるかも知れません。

農業科学応用研究所所長のつぶやき