アルカリ性の世界を知る

calcined calcium

無農薬野菜,健康野菜を育てる農家ノウカス

アルカリ性の可能性

除菌と言えば、アルコールによる除菌が代表選手ですが、その効果は一時的であり、水などの水滴がついている場所では効果が発揮しないデメリットもあります。しかし、安価で比較的安全に除菌できるので、普及しない訳がありません。

では、植物にとっての除菌には、どんな製品があるのでしょうか?

ウィルスや細菌、昆虫による媒介で病気に感染するため、病原を排除することが植物にとっての除菌剤(農薬)になります。農薬の中には天然成分の製品もありますが、その多くは化学薬品です。農薬は、媒介昆虫(害虫)や細菌類の駆除だけでなく、抵抗性の強い害虫を生み出す、益虫も駆除する、人体に影響を及ぼすなどの弊害が伴います。そのため農薬に関する様々な基準が設けられているのです。

カビ菌を始め、病原菌の多くは弱酸性~中性の環境を好み、カビ菌が増えるためには有機物の他に紫外線や鉄を必要とします。まさに植物が光合成をするために必要とする光の領域と同じ環境下で生きており、人間の支配下にない自然界では共存関係が成り立っているのです。

しかし、私たちの支配下におかれた自然界では、そのバランスが崩れ、野菜・果物の発病率を上げています。

そこで、本来のバランスに戻すための鍵となるのが、アルカリ性なのです。

今まではアルカリ性は農業では酸性中和剤としての立場でしかありませんでしたが、アルカリ性をコントロールすることが、今後の農業にとっても重要不可欠なものとなります。

pH値の特性を考える

pH値とは、物質の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値であり、pH値3以下が強酸、5~7が弱酸性、pH値7が中性、pH値7~9が弱アルカリ、pH値11以上強アルカリ、9-11でアルカリの弱から 強への中間領域となります。

ph値で変わる微生物の生態域

ph値で変わる微生物の生態域

酸性は金属を溶かす性質、アルカリ性はタンパク質などを溶かす性質があり、酸性は細胞の表面(角質層)に作用し、アルカリ性は細胞への浸透による細胞内部へと影響を与えます。pH9 ~pH11未満では、細胞への浸透が起こらず古い角質層や遊離脂肪酸の剥離、雑菌の滅菌効果があるため、この効果を利用したアルカリ性製品が数多く販売されています。

また、市販されている強アルカリ性製品と強酸性製品を混ぜ合わせると塩素ガスが発生し、命に関わることもあるので留意が必要です。

アルカリ性を利用する

人間の血液は弱アルカリ性、肌は弱酸性であり、植物は弱酸性となっています。

植物は、無機質を有機質に変えるための生産者であり、成長するためには根から酸性物質を出し、微量元素をイオン化した後に体内に取り込みます。そして、この弱酸性の土壌環境は、植物に 病気を引き起こす真菌が好む環境でもあります。

有用微生物の培養

真菌は、カビ菌や酵母菌を代表選手として上げられますが、植物や土壌生物にとって有用微生物にも病原菌にもなりうる厄介な細菌です。自然界では主に酸性森林土壌の分解行程おいて重要な役割 を担っている真菌は、アルカリ性には弱い性質があります。pH10以上で大半のカビ菌は死滅します。

例えば、カビ菌が原因で発病するべと病の対策は、発病した葉を焼却、土中深く埋め込む、農薬を散布する、熱湯消毒する土壌消毒などが一般的ですが、pH値をコントロールすることでも滅菌が 可能となります。しかも、pH値を高くするアルカリ農業製品は、カルシウム化合物であることが多いので、カルシウムの土壌補給は、植物の細胞質を強化し、病原菌への抵抗力を増す効果も期待できるのです。

つまり、pH値を上手にコントロールすることで、崩れた土壌細菌バランスを調整し病気を起こりぬくい土壌に改良できるようになるのです。

微生物の抵抗力

土壌栽培へ利用する

食物連鎖による物質移動

昨今の土壌は酸性雨や化学肥料使用により、アンモニアの利用が多く、硝酸イオンが土中に残り、酸性に傾く傾向があります。

硝酸イオンは、水銀、カドミニウムなど人体に影響を与える金属等をイオン化し植物が吸収することで、食物連鎖の最終消費者の人間に濃く蓄積されます。そして、ある濃度まで蓄積された(体内被曝)とき、 様々な病気を引き起こします。また亜硝酸は体内のアミンと結合しニトロソアミンになることで、恐ろしい発がん物質に変化します。

強アルカリは、細胞内部への浸透、酸性物質の中和を行い、固定化された物質は植物に吸収されることなく、雨と共に土中深く流出します。アルカリ土壌は、納豆菌などの有用微生物の増殖を促進するため、有機物を加えることで土壌改良に役立ちます。

しかし、植物、特に野菜は弱酸性の土壌を好みますので、土壌状態に応じたpH値をコントロールが重要となるのです。

水耕栽培へ利用する

植物が生長するためには必ずしも土壌を必要とはしません。植物の成長に必要な栄養素と空気が存在すれば育つのです。そして、微生物から分解された無機物と人工的に作られた無機物とで植物の成長に理論的には差は存在しません。

水耕栽培は、水に空気を送り込むことで土壌栽培よりもリン、カリウムの吸収が増し、植物の成長にとってプラスの面もありますが、一方では、細菌の胞子は遊走子を出し水中を泳いで病気が蔓延する危険性もあります。

また微生物によるアミノ酸等の提供や微量元素の関わりなど、まだ解明されていない点もあることから、本来の野菜の味、栄養価にも疑問が残る点も多々あります。

私たちは土壌栽培を中心としつつも、環境汚染等の問題により水耕栽培の重要性が増していることから、土壌環境に近づける新たな水耕栽培にpH値のコントロールを組み込んでいます。

貝殻焼成カルシウムの水耕栽培への利用の詳細 >>>

その他用途へ利用する

消費者の手に入るまでには、野菜には農薬、野菜自体が出すワックス、土ぼこり、細菌などが沢山ついています。それらは、簡単な水洗いでは完全に取り除くことが出来ません。

有機物から作ったアルカリ水で洗浄することで、表面についた不純物をきれいに取り除くことができ、野菜本来の味を引き出すことが出来るようになるのです。

有用微生物の培養 有用微生物の培養

私たちの実験では、3日冷蔵庫で保存したほうれん草は、アルカリ水につけることで、取立て時のほうれん草と同等の状態に復元し、アルカリ水で洗ったイチゴは2週間以上鮮度を保っています。

無機物のアルカリ水とは違い、 有機物によるアルカリ水は人に影響を及ぼさない除菌剤としても利用可能であることが実証できています。

貝殻焼成カルシウムのその他利用の詳細 >>>

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