水耕栽培の現状と課題
現在の水耕栽培のシステムは、右図のように栄養素と空気を加えた水溶液を循環させ、LED電球により光を与えたシステムが主流となっています。
水溶液を循環させる方法に変えて、根に水溶液を噴霧して行うシステムもあります。
このシステムを用いれば根菜類の栽培も理論的には可能ですが、根菜を支える根への負荷を軽減する措置が必要となります。
また1度使用した水溶液やスポンジ等の部材は再度利用することなく処分するため、コスト面での課題が一方では存在しています。
水耕栽培の液肥への取り組み
水耕栽培で有機肥料による栽培が一部では取り組まれてはいますが、大半は無機肥料により行われています。
無機肥料は、野菜の急速な成長や大きさを目的に化学的に作られているものが多く、一方では野菜のビタミンやたんぱく質の含有量に影響を与えることや病気にかかりやすくなるとの指摘があります。
また水耕栽培で使われた無機肥料は、下水道を通って河川汚染を起こし藻の大繁殖や硝酸塩や亜硝酸塩による様々な環境、人体問題を起こしますので、使用の際には必ず使用量を守らなければなりません。
水耕栽培においても「健康な土壌による栽培が美味しく安心安全な野菜を作る」という私たちの基本方針は変わりません。そこで、水耕栽培の肥料を「土中栄養バランスそのまま」となるためのいろいろな取り組みを行っています。
水耕栽培-ハイブリッド水耕栽培
私たちが考える水耕栽培は、水と液肥で栽培する従来の水耕栽培ではなく、土を使わない栽培法と広義の水耕栽培と位置づけました。
この考えにすることで栽培法の設定条件が広がり、根菜類の栽培が容易にできる可能性があります。
水と液肥ので栽培する狭義の水耕栽培に留めることなく、ある栽培法と組み合わせるハイブリッド型水耕栽培を目指しています。
私たちの水耕栽培システムの目的は、美味しく安心・安全な野菜、肥料水溶液による河川汚染の防止、限りある水を大切に使うことでの水資源の保護であります。
この目的を実現するために、水耕栽培にも着手したのです。