土壌に目を傾けると見えてくる
土壌は、植物、生物の大切な生活圏・・・ウィルス、微生物などの目に見えない生物だけでも10の30乗個も生息しており、生物の半分を占めていると言われています。それに加え、土中生物、植物の根などが混在しており、超過密都市を形成しています。
ただ、私たちは、目に見えない、住んでない生活圏を「土壌」という言葉で総括し、
の等式を成立させているのではないでしょうか。
土壌は生きています。
呼吸をしているのです。
土壌の豊富な栄養分は、河川を介して海へと流れていきます。その栄養分で海の生物は支えられています。しかし、ここ数十年の森林伐採等により、土壌からの栄養分の供給が貧富になり、海の環境に甚大な影響が出ています。
また、土壌から空気中へと二酸化炭素、メタンガスや亜酸化窒素が放出され、酸性雨、オゾン層破壊を深刻化しています。
その主原因の1つが化学肥料の大量消費と言われています。
土壌に触れることから始まる農薬・化学肥料不使用の農業
わずか数ミリのオゾン層により生命が維持され、オゾン層がなくなったとき、生命の維持が困難になります。
土壌に目を向けることで、現在の環境(負の温度勾配による影響、化学肥料による環境の悪化、過度な耕運による土壌環境、生物多様性のバランスの乱れなど)について、様々なことに気づかされます。
私たちは、見えない世界に支えられていることを意識しなければ、私たちを支えてくれるものが無くなる時期がものすごい速さで近づいてくることになるでしょう。
微生物が植物に栄養を与え、空気を浄化し、海の環境を整える重要な役割を担っているのです。化学肥料を使った土壌は、土壌中の有機物を分解を早め、有機物と栄養分を溶脱させ、化学肥料を使わないと栽培できない土壌へと変わっていきます。
更に単一作物栽培により、微生物の多様性もが失われ、病原菌を増えてしまい、農薬の使用量が多くなり、効果が薄くなるという悪循環を招いてしまいます。
しかも、自然に分解される農薬や除草剤の安全性ついて語られ、自然に分解されることで、安易に使用している方がいると思いますが、その薬剤効果が及んでいる期間は、微生物、特に有用微生物には致命的な悪影響を与えていることに変わりはないのです。
どんな農薬でも有用微生物を死滅させ、牛等の第一捕食者の体内微生物環境が変化し、最終的には人体へ影響を与えてしまいます。
農薬を抗生物質、ステロイド剤として置き換えると、どういったことを植物、生物、土壌にしているのかを理解しやすいかもしれません。
菌根、有用微生物の増殖に大きな影響を与える植物が生成するフィトケミカル(ファイトケミカル)に大きな影響を与え、敷いては、私たちの健康にも影響を与えます。