砂漠化の仕組みを理解する
土壌は、大きく分けて、れき、粗砂、細砂、微砂、粘土の5種類に分類されます。そして、砂漠と農地を比べた場合では何が違うのでしょう。
砂漠の場所にもよるのですが、礫~微砂までは大抵の砂漠で存在します。極端に少ない雨と強い太陽光により、地面の温度が気温より高温(負の温度勾配)になるため、水は地下に沈みこまず、地表を流れるようになります。
その結果、土中水分が無くなり、木々が枯れ、微生物が死滅します。
更に地下水がミネラルと共に地表近くまで上昇し、水分だけが蒸発し、地表近くには、ミネラル分だけが残されて塩害の状態となり、すべての生命が維持できない環境を構成してしまいます。
有機物で団粒化されていた土壌はバラバラとなり、温められた細砂が風に運ばれ、周囲へと広がり、新たな負の温度勾配を形成しさらなる砂漠を作り上げていきます。
この負の温度勾配の循環が砂漠化を招いています。
慣行農業による砂漠化への危険性
砂漠化になるメカニズムと慣行農業は無縁のように思われるかもしれません。
しかし、70年代のアメリカで化学肥料を使った慣行農業による土壌侵食と流去の問題、さらに遡って、過去に抱えた文明の崩壊(例えば、クレタ島の土壌資源枯渇、エジプト文明やイースター島の森林伐採、インダス文明の灌漑農業による崩壊)を紐解いていけば、砂漠化につながっていることは理解できます。
砂漠につながるキーワードは、
◆ 土壌団粒の崩壊
◆ 単一栽培による多様性の喪失
◆ 化学肥料による水質汚染とオゾン層の破壊、土壌の酸性化と栄養分の溶脱
◆ 負の温度勾配
であり、過程がどうであれ、これらの要因の1つが発生したとき、砂漠化に導かれます。
風が吹けば、畑の砂が舞い
雨が降れば、地中に浸透せずに表層を流れる
大小はあれ、砂漠で見る光景と違いはありません。