有用微生物の役割
嫌気性細菌や光合成細菌を代表とする有用微生物の「有用」とは、人間にとっての有用かどうかによって分類されている概念である。食物連鎖の観点からすると、有用も悪性もすべて自然界に存在し食物連鎖の枠組みの中で共生しています。しかし昨今の天候、汚染、温度等の外部環境の変化によって、食物連鎖という大きな連鎖と種別毎の連鎖網バランスが崩れ、植物、土壌生物、嫌気性細菌、光合成細菌等の微生物の連鎖網に様々な問題が生じていると考えています。
この影響は、野菜における各種病気の発生、ある特定生物の異常発生、一定面積あたりのミミズの生存数の減少や毒ミミズ化による上位生物への体内被曝となって既に表面化してきています。
これを改善するためには、土壌の健全化と共に最下位層に位置する嫌気性細菌や光合成細菌を代表とする微生物の食物連鎖網バランスを改善することが重要となります。それは、健康な土地に生存する嫌気性細菌、光合成細菌を中心とした各種有用微生物をバランスが崩れた土地に加えることで、植物は病気や害虫の被害が劇的に減ることで理解できるでしょう。
嫌気性細菌と好気性細菌との関係
有機物を餌にする細菌類のうち好気性細菌は、土中の空気濃度により活動が制限されるため、嫌気性細菌の役割が大きくなります。光合成細菌等の嫌気性細菌と納豆菌等の好気性細菌と共存することで、ピルピン酸が生成され、その後クエン酸、コハク酸、リンゴ酸等へと順次変化し、最終的にオキザロ酢酸とピルピン酸が再び結合し、クエン酸となる有機酸サイクルが誕生します。
有機酸サイクルは、植物に必要な必須元素や微粒元素を植物に与える役割を担っているのです。
すなわち、嫌気性細菌と好気性細菌のバランスが整っていることが正常な有機酸サイクルを生み出すことのできる植物にとって健康な土壌環境が整っているということです。
そして、有機酸サイクルが崩れるということは、植物にとって、どういう環境になっているのかは言わずもがなです。