カブトエビの特徴
淡水性の小型甲殻類に属する生物。水田に水がはられると数日で孵化、孵化後10日程度で産卵し、1か月半程度の短い一生を終えます。
バクテリア、藻類、ミジンコ、植物等を泥と共に食べる雑食性の生物で、水田では、よく脚で泥を掘り返す様子を見ることができます。彼らが動き回った後の濁り水で水田の雑草が生えないことから、別名「草取り虫」とも言われています。
卵は低温・乾燥に強く、数年間、乾燥した状態で生きられます。
稲作ばかりでなく、他の利用価値が非常に高いため、カブトエビ養殖のための飼育を開始いたしました。
カブトエビの生育環境
今年もカブトエビを観察するために毎日水田の様子を観察しているのですが、カブトエビの様子が昨年と違っているように感じました。
カブトエビの孵化直後は、いつもの通りに水田の窪みに寄り添うにように集まっていたのですが、孵化3日後水田から姿を消してしまいました。
その後毎日朝、夕方、夜と水田を見回っているのですが、水田では、おたまじゃくし、豊年エビ、ガムシ、ガムシの幼虫、ヒル等が沢山の水中生物がそれぞれの生活をいつも通りに営んでいるのでが、 カブトエビだけが姿を表しません。
観察を開始して2週間が経ったある夜の日、いつも通りに水田を見回りに行った時、ようやく大きく成長したカブトエビに出会うことが出来ました。
彼らは、私が照らすライトの明かりに吸い寄せられるように集まってきましたので、急いで採取しました。下の写真は採取から1週間経過した様子です。環境を変えないため、水槽の半分に水田の水と土を混ぜているので、水槽の水が濁っていますが、元気に生活していることを観ることができます。
それにしても、今年は異常気象の影響なのか、昨年見られなかった土に潜り、身を隠す行動…この行動は、元々備わっている習性なのでしょうが、近年の亜熱帯気候が彼らにそのような行動をとらせているのではないかと危惧しています。 水田の水中生物の生態系変化が、稲の生長に何らかの影響を及ぼさないことを願うばかりです。
カブトエビの成長日記
水槽には約80匹のカブトエビが生活しています。 大半は水槽の底にいて姿を現してはくれませんが、元気にキャベツを食べているものが2匹姿を見せてくれています。 水田の水を混ぜて使用しているのですが、この1週間で水に環境の変化になれなかったのか4匹死んでしまいました。 |
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水槽の上をカバーをかけて日陰を作ってやるとひっくり返って泳ぐ姿を見せてくれます。
この行動は何を意味しているのか、しばらく観察してみることにします。 |