酸性雨の影響を調べよう
酸性雨は植物にどのような影響与えるのでしょうか?
酸性雨は自動車の排気ガス、火力発電や工場等による石炭、石油等の使用、火山活動、ペット、家畜等のし尿などにより発生する硫黄酸化物、窒素酸化物、塩化水素などが原因です。これらが大気中の水や酸素と反応し硫酸や硝酸、塩酸などの強酸が雨と交じって降るのです。
この酸性雨により、ヨーロッパ・北米では森林が枯れるなどの大きな問題となっていることはご承知の通りです。
しかし、この酸性雨は対岸の火事では済まされません。空は一つです。突然私たちの土壌に突然強い酸性雨が降ってくるかもしれません。以前調べた時には、Ph4という雨を観測したことがあります。
酸性雨は、植物の成長に必要な土壌の鉄、銅、マンガン、マグネシウム、カルシウムをイオン化により流出させ、更には植物の根を傷つけ、微生物、土中生物までも死滅化させます。
では、身近な材料を使って、酸性度が与える植物への影響を観察してみることにしましょう。
【材料】
ペットボトル、種(ここでは簡単なカイワレ大根)、クエン酸、スポンジ
【準備と観察】
①図のように、ペットボトルの半分に切ります。
②PH計、もしくはリトマス紙にて各酸性水を作ります。
③適当な大きなにスポンジをカットし、表面に切込みを入れた後ペットボトルに入れます。
④用意したペットボトルに②で準備した酸性水と種を10粒づつ入れ、観察を行う。
【結 果】
日数 | pH7.0 | pH5.0 | pH4.0 | pH3.0 | pH2.0 |
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3日目 | |||||
発芽するものの 葉の色が薄い |
元気よく発芽し 葉も緑色 |
発芽が始まった | 発芽が始まった | 発芽の兆候なし | |
10日目 | |||||
葉は多少小さいが元気に成長 | 葉が大きく、かつ元気に成長 | 弱弱しく3日目より少し成長 | 3日目からほとんど成長なし | 発芽の兆候なし |
[ちょっと一言]
植物が成長するpH値は5.5~7.0の弱酸性状態が最適と言われています。実験ではpH5とやや低いのですが、これでも植物によっての最も良いpH値であることを観察することができます。酸性土壌を好むブルーベリー、サツマイモ、ジャガイモなどは、pH3程度まで適応範囲であるといわれています。