水の影響力を調べよう
水は、植物にとってはなくてはならないものです。二酸化炭素、水を使い、光合成により植物の栄養源グルコース(ブドウ糖)を最終生成します。
光合成の反応を見る限りにおいては、使われるのは水素、酸素のみであり、水による違いによる成長の違いはないはずです。しかし、私たちが普段使っている水には、水分子以外にも塩素、ナトリウム、マグネシウムなどの物質が多少含まれています。
野菜の栽培において、ミネラル水る栽培により野菜の生長の違いや味の違いを実感している方もいられます。それは、水道水に含まれている微量分子の一部あるいは全部がマイナス要因として影響しているのか、ミネラルがプラス要因として機能しているためなのでしょうか。
いずれにせよ、その違いは、根の伸び、茎の太さ、弾力性、色など、植物の成長に現れることがあります。
ここでは、水の違いで植物の成長にどのような違いが生じるかを観察してみましょう。
【材料】
ペットボトル、種(カイワレ大根を使用)、スポンジ、精製水、ミネラル水、水道水、池の水
【準備と観察】
① ペットボトルを半分に切り、適当な大きさに切ったスポンジを底に敷きます。
② 種を10粒程度入れ、それぞれの水を種が浸る程度まで入れます。
③ 種が胚乳による栄養分を使い切った後からの成長に注意しながら観察します。
【結果】
日数 | ミネラル水 | 精製水 | 水道水 | 池の水 |
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12日目 | ||||
成長がよく、葉も青々として元気 | 成長は水道水と同じ程度であるが葉に元気がなく萎れ気味 | 成長はミネラル水と同じ程度であるが、葉が元気がない | 成長も遅く、葉の勢いもない |
[ちょっと一言]
種子の栄養がなくなる7日目以降からそれぞれの成長に違いが出てきました。ミネラル水、水道水、精製水、池の水の順で葉の勢いに違いを見ることができます。
これは、植物の生長に必要な窒素が不足していることが原因で、窒素が不足すると葉の色が薄くなったり、茎が細く、草丈の成長が止まり貧弱になります。
驚くべきことは、池の水は金魚のアンモニアや微生物が含まれていることから、成長するものと考えられましたが、アオコなどの影響で根の発達が阻害されていることが観察できました。成長は根の発達の違いからも見ることができ、ミネラル水では主根は細くあまり成長せず細い無数の側根の発達が見られ、精製水では主根が太く長く成長し側根の数が少ない状態、水道水では主根、側根共に成長している状態を観察できます。
これは水分栄養素の含有量と根の関係を表しているのです。