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植物の発芽力を調べよう

道端、畑、庭、道路などには多数の野草が生えます。抜けども抜けども何処からか生えてくる…その力強さと憎さから、私たちは彼らを「雑草」と呼んでいます。しかし、植物の視点からは、その生命力の隠された能力には興味を引くものがあります。

成長に必要な窒素を細菌に固定化させるもの、光合成の能力を高めることで成長するもの、発芽するとすぐに種を作るものなど。そして、一方で彼らは土を肥沃に、柔らかくする効果を期待されることから、雑草農法を行う農家の方もいます。

雑草農法をしないまでも、現実的にはすべての雑草を取り除くことは不可能ですので、うまく付き合う方法を考えていくことが必要なのかもしれません。

雑草と付き合うには、彼らの能力を少しでも理解しなければなりません。まず手始めに、身近な材料を用いて、雑草の発芽力を観察してみることにします。

植物の発芽力実験の材料【材料】
ペットボトル、雑草(ここでは、一般的なヒメシバを使用)、段ボール、スポンジ

【準備と観察】
①図のように、ペットボトルを横にして使用する。
②ペットボトルの上1/3程度のところに切れ込み(一部切らない)を入れ、開け閉めできる蓋を作り、適当な大きさにスポンジを敷く。
③取ってきた雑草を2~3㎝単位で切り、ペットボトルに並べる。
④段ボールに入れ、光が入らないようにし観察を行う。

【結果】

経過日数 観 察
3日目 茎&根の部位に新葉が出る。
7日目 その後光を与えない状態で置いたところ、全てが枯れ、茎&根の部位にカビが発生したので終了とする。

[ちょっと一言]
朝顔、昼顔などの多年草は、根が5cm残っていれば発芽するといわれています。しかし、何処にでも生える雑草の代表選手ヒメシバで今回の実験をしてみましたが、どんなに強くても 1年草は抜かれた時点でその一生が終了となることが分かります。

野菜を作る時、野菜の邪魔にならない雑草はあえて抜かない「雑草農法」という栽培法があります。雑草はあるときにはマルチの役割を担い、あるときには有機肥料の一部となります。これをうまく利用したのがこの農法です。ただし、雑草農法をする場合には、雑草の性質を理解しなければ危険が伴います。

例えば、春の七草の1つである「ホトケノザ」は、うどん病にかかりやく、アリの好む糖衣を纏った種をアリに運ばせますので病気が蔓延します。しかし、一方では根にVA菌を共存させており、土壌改良の一端を担っているのです。

雑草農法を実際に行うには他の農家の方の目もありますから難しいところもありますが、抜いても抜いても生える雑草を嫌がらず、雑草の性質を理解し、うまく付き合う方法を見つけたいものですね。

それにしても何処にでも生える雑草の能力を調べれば調べるほど、生存の進化に驚かされるものがあります。そして、人の手に甘えている野菜となった元雑草たちは、その進化を忘れているかのように感じています。

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