トウガラシ+ニンニクパワー炸裂!?

クコの実と食害の状態

奇跡の果物「クコ」の本格栽培を始めるに当たって、放置農法で栽培しているクコ。

放置農法というと、有機農法の1つかななんて思うかも知れませんが、単なる放置です。

農薬も、肥料もな~んもしません。

ただ、することは1つ・・・邪魔にならないように選定と縛るだけです。

放置の目的は、どんな病気が発生するのか、どんな虫が来るのかを観察し、その対策法を考えることです。

クコは今では大きく食害を受け、ぼろぼろな姿になっていますが、そんな中でもいくつかの実が色づき始めました。

クサカゲロウの卵

クサカゲロウの卵

なんと、生命力のある植物!

さすが、奇跡の果物と言われるだけあります。

今日で、観察を行ってから4か月半となりました。

その間にクコについた虫は、確認できただけでアブラムシ、オンブバッタ、ハダニ、ノミ、ハムシ、ハスモンヨトウ、ドウガネブイブイ、クモ、ハモグリバエ、カマキリ、クサカゲロウ、ナナホシテントウの13種類です。

そして、被害を大きくした虫は、ハダニ(カンザワハダニとナミハダニ)とハムシ(クロウリハムシ)でした。

駆除液散布1週間後の状態

カンザワハダニへの駆除液散布1週間後の状態

ということで、最初にハダニの対策について行うことにします。

ハダニは、高温少雨の時に発生し水に弱いので、葉の裏を小まめにぬらすことで予防することが可能ですが、今回は対策なので駆除を目的としています。

用意するのは、トウガラシ、ニンニク、ニーム、ヒカマ(ヤムビーン)、チャイブ等の数種類のハーブと竹酢に砂糖です。

竹酢に細かく刻んだハーブを6か月ほど漬け込み、エキスが十分に出たものを本来は使いますが、今回は用意しているものがなかったので、漬け込んで1週間のものを使いました。

1週間前に100倍に希釈した駆除液を散布し、今日葉の裏を調べてみました。

ハダニへの駆除液散布直後の状態

カンザワハダニへの駆除液散布直後の状態

すると、約20匹が死んでおり4匹が生き残っていました・・・・生き残っていた4匹に再度駆除液を散布してみると、散布直後は動かなくなり、しばらくすると散布があまかったハダニが逃げるように動き始めました。

そのまま観察を続けていると、展着剤を少し強くすれば、駆除液の効果が上がることが分かりました。

人間でもニンニクとトウガラシエキスを顔にかけられたら、大変なことになるのですから、まして全身にかけられたらどうなるかは想像がつきます。

食べると元気パワーになるニンニクとトウガラシ・・・使い方1つで「大騒ぎパワー」を発揮します。

害虫駆除においても安易に農薬に頼らず、自然界から創意工夫して見つけるのも農業を行う楽しみの1つです。

答えは、必ず「自然界」ありますから、ちょっとした発見探しをしましょう。

農業科学応用研究所所長のつぶやき