ミルクシスル(マリアアザミ)の育て方

農業//気まぐれブログ

今年初めて栽培しているミルクシスル(マリアアザミ)

ミルクシスルを蒔く切っ掛けは、猫の畑の進入防止のためになんとなくです。

そんな気持ちで栽培を始めたものですから、ちゃんと栽培法を調べることもなく、「野アザミが何処でも咲くのだから同じだろ!」的な考えで行ったのです。

なので・・・

葉がだんだんと大きくなり・・・

カタツムリ等の害虫による食害で直ぐに葉が枯れ・・・

葉の裏に虫が付いているかどうか調べようとすると簡単に折れ・・・

と、結構弱いのです。

弱いと守りたくなるのは人の常で、それで栽培法や特徴などをネットで調べてみたのです。

が・・・日本語のサイトでは見つからなかったので、育て方と気がついた点を紹介することにしました。

【特徴】
ミルクシスル(マリアアザミ)は、室内栽培の場合には1年草として、屋外栽培の場合には2年草として栽培され、2年目に花を咲かせます。葉に大きな特徴があり、葉脈に乳白色の模様が現れます。一般的な大きさは、高さ90-120cm、花の大きさ5cm前後になります。

私のミルクシスル(マリアアザミ)は、現在葉の大きさが幅20cm、長さ40cm、花の直径が約5cm程度(額を入れれば8cm)まで生長していますので、今育っているのが一般的な大きさになるのでしょうかね。

【栽培法】
ミルクシスル(マリアアザミ)は、霜の危険が去った後に播種します。屋内に場合には播床に1/2インチ(1.5cm)の深さに3-4粒を播種し、屋外の場合には30?36インチ(91cm-110)間隔で1箇所に3-4粒を播種します。発芽は10-20日。発芽後もっとも元気なものを1つだけ残し、後は間引きします。

5月中旬に播種した時には、2-3日で発芽しています。

【土壌】
肥沃な土壌、適度な水、日当たりの良い場所を好みますが、乾燥や半日陰、土壌環境に関係なく育ちます。
(この辺は、ノアザミと同じですね)

【害虫】
花は蜂や蝶を引き付けます。既に葉にはヨトウ虫、カタツムリ、ナメクジ、ヒトリの害虫の食害を観察していますので、害虫に好まれる植物です。こういった大型害虫の駆除は捕殺が一番です。

【その他】
観賞用として花を楽しむときには、満開後に花を切り取ってください。 種子を取りたい場合には、秋に種が飛散する前に花(種子)を収穫して乾燥させます。

【効能】(参考文献:以下はメリーランド大学メディカルセンターにあるものをほぼ翻訳しただけです)
◆概要
ミルクシスル(マリアアザミ)は、様々な病気、特に肝臓、腎臓、および胆嚢に関わる疾患を治療する漢方として2000年もの間使用されています。いくつかの科学的研究により、マリアアザミ(シリマリンと呼ばれる特にフラボノイド)に含まれている成分が、高用量で肝障害を引き起こす特定の薬(例えば、アセトアミノフェン(タイレノール))に含まれている毒素から肝臓を保護することが分かってきました。また、シリマリンは、抗酸化および抗炎症特性を有しており、それは新たな細胞を増殖させることによって、肝臓自身の修復を助ける働きがある可能性も分かってきました。

しかし、ミルクシスルは、肝臓の保護に役立つことを示している実験は多数ありますが、その多くは動物実験での効果であり、人への研究結果ではないことに留意する必要があります。

◆ウイルス性肝炎
ミルクシスル(マリアアザミ)は、ウイルス性肝炎(特にC型肝炎)の多岐の治療に使用されていますが、ウイルス性肝炎の効果については、現段階では、いくつかの研究では肝機能の改善効果が見られ、他の研究では改善効果が見られないという混合結果になっています。例えば、インターフェロンとリバビリン療法で改善しなかった被験者16人に対してのある研究では、治療14日目でC型肝炎のウイルス量を減少させ、その内7人にはウィルスが検出不可能なレベルまで減少していました。

◆きのこ中毒
伝統的な使用では、ミルクシスル(マリアアザミ)は、タマゴテングタケ中毒の緊急的な解毒剤として使用されています。動物研究では、ミルクシスル(マリアアザミ)抽出物を摂取後10分以内に投与した場合には、完全にキノコの毒性効果を打ち消し、24時間以内に投与した場合には、肝損傷および死亡の危険性を大きく低減することが分かっています。

ちなみに、タマゴテングタケは、毒キノコ御三家の1つで、欧米に広く分布しており、肝臓と腎臓に作用する猛毒を持っています。日本では北海道で見つかったそうで、1本食べただけで健康な成人が死に至るという恐ろしいキノコです。日本では、同じ肝臓・腎臓に影響を与える猛毒を持つキノコ「ドクツルダケ」が知られていますが、これにも効くのですかね。

◆癌
実験室内での初期の研究では、ミルクシスル(マリアアザミ)に含まれているシリマリンとその他の活性物質が抗癌効果の可能性があることが分かっています。これらの物質は、がん細胞が分割し増殖するのを止め、更にがん細胞の寿命を短くし、腫瘍への血液供給も減少させるようです。

いくつかの研究によって、シリマリンが日焼け止め保護剤を補うことで、皮膚癌のリスクを軽減する可能性があることも分かってきました。しかし、これらの効果は、あくまでも試験管内で得たものであり、実際に効果が出るかは更なる研究が必要となります。

まあ、効能に関しては、動物実験が大半だそうなので、実際には人間に効かないことも多々あるかもしれませんが、要は「気持ちの持ちようで、どうにでも成る」という結論でいかがでしょうか?

それよりも一番大切なのは、「虫が食べるのは、人間にとっても良い」ということです。

どんな体に良いもの、どんなに美味しいものでも、農薬の効いているものは、虫は絶対に食べないのですから・・・。

農業科学応用研究所 所長のつぶやき