ミルクシスルが教えてくれる土壌環境
今年より犬や猫等の害獣による農作物や糞尿防止のため、畑の隅のあちこちにミルクシスル(マリアアザミ)栽培をしています。
ある場所では30cm程度の生長で止まり、ある場所では順調に大きく生長するなど、様々な姿を見せてくれています。
そんな中、トマトとナスの生長が今一遅いような気がする場所にミルクシスル(マリアアザミ)を植えてみました。
「すると、どうでしょう!」
とっても特徴のある生長を見せてくれています。
その場所へ植えたマリアアザミがすべて幅10cm、長さ30cmの大きな葉を地面を這うように生長し一向に縦への生長をしません。
中には既に花茎を伸ばさずに蕾をつけているものまであります。
これは、明らかに土壌の栄養バランスが崩れており、特にある栄養素だけが顕著に不足していることをよく教えてくれています。
そこで、普通は有機肥料のみで栽培を行っているのですが、明らかに土壌の栄養バランスが悪いことを確認するために不足している栄養素を化学肥料で補ってみました。
施肥後1週間が経過したころ・・・
今まで地面につけていた大きな葉を地面から持ち上げるようになり、葉の数も増え縦への生長をし始めました。
これを参考に、トマト、ナスの根元に昨年より仕込んでいた有機肥料を施肥し、しばらく観察していると生長が順調になってきました。
これほど、土壌環境を教えてくれる植物に巡り会えたことは久しぶりです。また、既にカタツムリ、ヨトウムシ、ロウムシ等の食害も確認していますので、おとり植物としての利用価値もあるのかもしれません。
植物を育てていて、意外な気づきに出会えた時がとても楽しいです。
農業科学応用研究所 所長のつぶやき