植物科学シンポジウムで学んだこと
ゲノム解析・・・最初から難しい議題で始まりました。
というよりもゲノム解析による研究結果をが中心であり、農業のマイスターである百姓を目指している私にとっては、大学で学んでから時折ニュースで聞く程度で記憶の片隅にもありゃしない話題。
その話題が次から次へと展開されて、頭の脳細胞がオーバーヒートしてしまいそうでした。
こんな中でも農業の現場で活用できる話題があり、私にとっては学ぶことが多い良い1日を過ごすことができました。
「感謝!感謝!」です。
皆さんも、興味のあるテーマがひとつでもあれば、出かけて見ましょう!
その中で、私たちにも使える話題の1つを紹介・・・・
果物や野菜は大抵、エチレンを放出し熟成していきます。「よくリンゴとバナナは近くに置くな!」というのは、このエチレンの影響により早く傷みやすくなるからなります。
そして、バナナと同じようにエチレンの影響を受けやすい野菜の1つがトマトです。
先生は、このトマトの保存期間を延ばすために、エチレンの影響を掌る遺伝子を解明し、エチレンの反応しないトマトの開発を行っていました。
これは難しい話で、私たちが行うにも知識も、設備もなく、出来るはずがありません。
私が注目したのは、懇親会でお話をさせていただいたときの
「トマトはストレスを与えると美味しくなるんだよね。有機農法で育てるということは、常に栄養不足の状態を作っているから、更に保存期間も延ばすこともできるし・・・光の量の調整によっても糖度の影響があるよね」
という何気ない会話です。
常日頃、何かを栽培しているとき、栽培を長く続ければ感覚的に行ってしまいがちです。
トマトは、土中の肥料濃度、カルシウム、光の量の影響で美味しさに大きな違いが生まれます。栽培法を時折振り返ることは大切であり、そうすることで更に美味しい野菜を作るためのアイデアが生まれると思います。
例えば、朝日は青色の光が多く、夕日は赤色の光が多いのです。これって植物の生長と糖度に大きな影響を与えるのでは?!・・・などと気がつくと、新たな栽培法が「ピン!」と閃きませんか。
少子化時代、子供にも野菜にも、知らず知らずに甘やかせていませんか。
腹六分目で、美味しく安心安全な野菜つくりを目指しましょう。
農業科学応用研究所所長のつぶやき